PBFD・BFDの違い

bn_pbfd_0ネットでPBFDのやり取りをしていて、「割とみんなBFDとPBFDを混同しているのでは?」と感じました。
やっぱりBFDが気になってきました。

ちょっと調べなおしてみました。素人がネットで調べただけなので間違っていたらごめんなさい。
でも、私は分子生物学(いわゆるバイオ)出身で基礎医学関係のお仕事をしてたことがあるのでちょっと詳しい方です。医師でも医療関係者でもないので臨床や疫学の知識は全くありません。普通よりほんのちょっと詳しい程度です。

  PBFD BFD
病名 ●PBFD(Psittacine Beak and Feather Disease)
●オウム類嘴羽毛病

●BFD(Budgerigar Fledgling Disease)
●ポリオーマウイルス(Avian Polyoma Virus)感染症
●羽毛形成不全(フレンチモルト)※1
●セキセイインコの雛病
●インコ雛病
●コロ

※1:近年はPBFDと混同される傾向にある。病名というよりは症状を示す。

ウイルス名

●PCV( Psittacine Circovirus:オウム目サーコウイルス)古い
●BFDV(Beak and Feather Disease Virus:嘴羽毛病ウイルス)今はこっち

APV(Avian Polyoma Virus:ポリオーマウイルス)
感受性 オウム・インコ類のみ オウム・インコ類からフィンチ類まで
症状

【甚急性型】初生ヒナ
突然死

【急性型】1ヶ月齢前後の幼鳥
疲労、食欲不振、嘔吐、下痢、深刻な免疫不全。2週間から4週間のうちに死に至る

【慢性型 】若鳥〜成鳥
脂粉の喪失、 羽根の褪色羽
脱羽、羽毛形成不全
嘴と爪の過剰な成長と奇形および壊死組織の成長
全般的な免疫抑制作用

生後15日以内:100%死亡
生後3週齢〜1ヶ月:30〜100%死亡
生後1ヶ月以上:発症せず、キャリア化することが多い

【急性型】
羽毛異常、皮下出血、肝肥大、消化器症状、神経症状などにより突然死

【慢性型 】
脱羽、羽毛形成不全、
消化器障害、肝臓障害、腎臓障害、呼吸器障害、出血斑、死亡

特にラブバードでは成鳥にキャリア感染しやすい。

ラブバードは1歳以上でも発症することがしばしばである。

オオハナインコ、バタン、カイクー、コニュアの成鳥で突然死が稀に見られる。

感染経路

垂直感染(両親から感染):孵化後の育児が原因と思われる
水平感染(仲間から感染)

接触感染・飛沫感染・空気感染※2
羽根や羽毛ダスト、分泌物などで感染
人間の被服に付着したウイルスによっても感染の可能性もある

垂直感染(両親から感染):孵化後の育児が原因と思われる
水平感染(仲間から感染)

接触感染・飛沫感染・空気感染※2
羽根や羽毛ダスト、分泌物などで感染

すべての成長段階において、ウイルスとの接触でほぼ100%の鳥が感染する。

環境中で
生存期間

戸内で3〜5年
(戸外での分解は早いと思われる)

※戸内で半年という説もある

 
陽性率

一般家庭:19.2%、
ペットショップ:16.7%

セキセイインコ:40.1%
大型白色オウム類:24.2%
ヨウム:21.2%

※2005年1月〜2006年3月 日本国内における無作為の調査結果

※サンプル数が少ないので誤差の問題がありますが、50%の鳥種も記載されていました。
詳しくは「わが国におけるオウム嘴羽病の疫学調査

成鳥の3〜4%がキャリア

成鳥の陽性率はPBFDに比べて低い

検査方法 主にDNA分析 主にDNA分析
陰転

急性ないし亜急性症状を示しているセキセイインコ、ラブバード、ヒインコおよびオオハナインコなどにおいては、回復が可能な傾向が強い。

有色のインコはこの病気に感染しにくいようであり、しばしば自然治癒しうる。

白色オウム・ヨウムの完治は難しい。

成鳥であれば比較的に陰転は容易。

キャリア化しやすいが完治の可能性も高い。

処置

現在のところ特定の処置はない。

鳥種によっては適切な飼育で自然治癒が望める場合がある。
鳥種によっては発症後の予後は絶望的。

適切な飼育で自然治癒が望める。

よく「PBFDは情報があるのにBFDはあまり情報ない」と聞くのですが、BFDは別名が多いからなのかな?と感じました。
1990年代から認知され始めたPBFDと違い、BFDは昔からあるので別名が多いみたいです。

「コロ」や「インコ雛病」というのが、いかにもブリーダーさんや現場ではよく知られた病気感があります。

PBFDもBFDも羽が抜け始めてはじめて気がつくことが多い病気で、診断には主にDNA分析が必要になります。
羽が抜け始めるのは発症後のはじめての換羽になるので、それ以前に発症していることになります。

感染のリスクは当然ながら下記となります。
接触感染>飛沫感染>空気感染
恐ろしいのは、BFDでは接触感染の感染率は100%ということでした(おそらく同種間での話。PBFDは不明)。
空気感染はぐっと感染率が下がりますが、空気感染する※2こと自体が恐ろしいです。インフルエンザですら厳密には空気感染できません。空気感染する身近なウイルスはノロでしょうか※2空気感染するものとしては麻疹・水痘・結核が代表的です。

※2:インフルエンザは体外での生存期間が短いので(5分程度)空気感染できないと解釈しましたが、厳密には空気感染可能で、種類によては生存期間が長いものもあるようです。
厳密にはノロウイルスは空気感染する説と空気感染しない(もしくは感染率が非常に低い)という説があるようです。一般的感覚からいえば空気感染すると思っていいと思います。
PBFDやBFDは人間に感染しないことからそこまで調べられていないでしょうから、厳密な意味での空気感染かは不明です。ただし一般的感覚での空気感染はあると考えて対処した方がよさそうです。

「BFDは雛時期を乗り越えればそんなに怖くない」です。もちろんキャリア化や繁殖の際は本当に気をつけないといけないことには変わりないですが。
しかし一部の鳥種では成鳥の感染でも劇症化することがあるようです。
幼生期、鳥種によってはPBFDよりも脅威となりえます。
※BFDは成鳥であれば予後が期待できるという意味で「そんなに怖くない」と書きましたが、感染力自体は強いです。

「PBFDは陽性率も予後も楽観視できない」です。
PBFDとBFDを混同して楽観視している方が多いような気がするので心配です。

少なくともともPBFDには2種、BFDには20の変異株があるらしく(1999年時)、鳥種によって大きく異なる予後を見せます。
異なる鳥種間では比較的感染しにくい可能性があります。

いずれにせよPBFDはBFDほど簡単に完治できません。気をつければ防げる場合もあるので、お互い本当に気をつけましょう。

また、セキセインコが生後半月・生後3週間でPBFD陽性と分かり(2つのご家庭の2羽の例です)、半年で陰転したというお話もありましたので、絶望せず希望を持つべきだとも思います。
また発症前に気がつくことが予後を大きく改善させるのだと思いました。健康診断大事です。

 
 

【参考文献】

セキセイインコ&将棋フォーラム
セキセイインコのヒナ病
http://aramaki.kotori.mobi/wordpress/category/セキセイインコのヒナ病/?post_type=post&order=ASC&orderby=date

小鳥の病気.com
セキセイインコの雛病(せきせいいんこのひなびょう)
http://www.torinobyouki.com/blog/2016/08/post-984-334219.html

にほんまつ動物病院
鳥ポリオーマウイルス感染症
http://nihon.matsu.net/nf_folder/nf_mametisiki/nf_tori/nf_tori_polioma.html

Wikipedia
PBFD
https://ja.wikipedia.org/wiki/PBFD

わが国におけるオウム嘴羽病の疫学調査
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/60/1/60_1_61/_article/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/60/1/60_1_61/_pdf

飛沫感染、空気感染、接触感染の違い【エボラ出血熱・ノロウイルス・インフルエンザ等の感染経路まとめ】
https://matome.naver.jp/odai/2141570584901334501

飛沫感染と空気感染ってどう違うの?
http://kaigopro-dojyo.com/?p=1491

Wikipedia
感染経路
https://ja.wikipedia.org/wiki/感染経路

感染症情報センター
ノロウイルスの感染経路
http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/0702keiro.html

五本木クリッニック美容皮膚科
ノロウイルスは空気感染する、という話は本当か!!??
https://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=13669

ヘルシーラボラトリー
ノロウイルスは空気感染する?しない?-感染経路は二種類
https://healthy-laboratory.info/archives/148

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