10:遺伝子疾患ってなんだ?4 検査方法

あなたの動物が遺伝子疾患か検査するには

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前回の補足

前回、SSS1遺伝子をB、変異を起こしたSSS1遺伝子をbと説明もなしに表現しました。
まあ、メンデルの法則を知っている人が多いからなんとなく分かりましたよね。てへ。
ヘテロという言葉も説明なしに使ってしまいました。

さちよんは染色体を2セット持っています。遺伝子は染色体のどこかに乗っています。
なのでSSS1遺伝子も2つ持っています。

正常なSSS1遺伝子を「B」、変異を起こしたSSS1遺伝子を「b」と表現します。

SSS1遺伝子が2つとも変異を起こしている時(bb)、さちよんは発病して免疫系が弱くなります(免疫不全 陽性/アフェクテッド)。
1つだけ変異を起こしていると(Bb)、子供に遺伝するかもしれませんが、免疫不全を発症はしません(キャリア)。
遺伝子の状態が違う場合をヘテロと呼びます。同じ場合はホモです。

SSS1遺伝子に注目した場合、下記のパターンがあります。

・Bb 陰性/クリア(ホモ):健康
・Bb キャリア(ヘテロ):健康だが子供に遺伝する可能性がある
・bb 陽性/アフェクテッド(ホモ):免疫不全発症 子供に遺伝する

 

あなたの動物の遺伝子がどのパターンかを検査するには

最近世間では「DIYバイオ」が流行っているそうです。やろうと思えば自宅でできちゃうんですね〜。ほえ〜。でもハードルは結構高いです。
普通は誰かに検査をお願いします。

・獣医さんに検査してもらう
・自分で試料(血液や細胞)を採取して検査機関に検査してもらう

という方法があります。
獣医さんも試料(血液や細胞)を採取して検査会社や大学に依頼することになります。

 

検査できる遺伝子疾患

現在、愛玩動物で検査できるのは犬猫に限られています。
遺伝子疾患はこれかも発見・同定され、検査できる遺伝子疾患も増えていくはずです。
この分野は最近急速に研究が進んでいるので獣医さんでも知識がない場合があります。

情報の更新速度が速いので、ここではあえて具体的な病名はあげませんので、ご自身で調べてみてください。
ただし、犬猫の遺伝子疾患の蔓延は本当に本当に深刻な状態になっていますので、飼い主はぜひ調べてみてください。
犬種や猫種によって発病しやすい遺伝子疾患があります。

繁殖する場合は必ず遺伝子疾患について考慮してください。

 

検査の精度

ついこの前まで「人為的ミスがなければ検査精度は99.9%」だと思っていました。
ところが、犬猫の特性により「人的ミスがなければ、提出した試料の検査精度は99.9%」という考えに変わりました。

この「犬猫の特性」「提出した試料」とはどういうことなのでしょうか?

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